2010年7月25日日曜日
7月11日の宮下公園で何が起こったか?
準備期間が極めて短かったにもかかわらず、7月11日は宮下公園に多くの方が足を運んでくれました。この場を借りて感謝します。そして難しい状況の中、出演したいただいたDJ Discharge、DJ Red-X、高品格、Gerokuso、Forward、雨の中で遅くまで公園に残り機材搬出を手伝ってくれた皆さん、ありがとうございました。そして今回演奏できなかったDiskriminados、Groaning Grooveには、ここで改めてお詫びの気持ちを伝えられたらと思っています。
"EMERGENCY" Free Live Showが途中中止に至った経緯を説明します。
まず、中止の決断を最終的に下したのは主催したPinprick PunishmentとA.I.R. Miyashita Parkです。
ライブが始まってほどなく、まず地域まわりの警官が様子を見に来て、音量や周辺地域への配慮等の点を警告してきました。ここまでは、野外でフリーイベントをやる際にはよくあることです。私、穴水もこれまで様々な現場に於いて何度も、地域警察や公園管理局などから警告を受け、その都度柔軟に対応して乗り切ってきました。今回も通常の例通り、一時的に音量を下げ、ある程度警官に納得してもらって引き取ってもらいました。
しかしながら1時間後くらいに、今度は6人もの警官が強制的に排除せんと、直接ステージに向かってきました。この時点で、通常のフリーイベントとは様子が異なってきます。とりあえずは話し合おうと、何とかステージから遠ざけ、警察を引き留めている間にライブを継続しました。
この時点での警察の言い分は、これは無届け「集会」にあたるので即刻解散しなさい、というものでした。
宮下公園は現在、ナイキパーク化に反対して、A.I.RやMIKEといったグループがテントを張って工事着工阻止をしている状況で、通常から小規模なライブや上映会などが行われています。また、他の公園や路上でも様々なパフォーマンスが行われているのは誰もがご存じでしょう。それらとこのライブのどこが違うんだ?とのこちら側の問いかけにも「無届け集会だから、即刻解散するか、使用申請を出しなさい。」の1点張り。そもそも、宮下公園は区が管理を放棄し、民衆による自主管理状態となっている様な状態なので、区が使用申請を受け付けるような状況ではありません。「他の公園や路上」で行なわれているライブやパフォーマンスと「宮下公園」で行なわれているライブが何故違うのか?「どこが集会なんだ?どう見てもライブだろ。近隣店舗の理解も得ているし、音量の自粛もしてる。通行人や近隣から苦情など来ていないはずだ。」との問いかけに対して、若い警官が以下のように言ってきました。
「ライブなんてライブハウスやクラブでやっていればいいんだ。こんなところでやるな。」
あまりに理不尽な言い分に対して我々はこれを断固としてはねのけ、警官隊は「警告したからな。」と言って一旦退却していきました。この間やりとりを警察は全て録音しており、事後情報によると公安もいたとのことです。
この時点で、権力側は我々のライブに対して一方的に「政治集会」であると決めつけ、組織的な弾圧に乗り出してきたと判断しました。
次に警察が来るときは、強制排除を実力行使してくるであろうとことは明確でした。公園周辺にレポ(偵察隊)を配置し、権力が大々的に乗り込んできたら、公園に入り込む前に、事前に退却するとの決断を私が下しました。
その方針決定をした直後に「応援部隊がきた」、「更なる警察車両が到着した」などの情報が次々に飛び込んできました。これ以上続けしまっては、出演者、お客さん、設備に甚大な被害が及ぶため、それらを守り、今後もこういった活動を継続し、なによりもこの公園存続を訴え、自主管理してきた人達の闘いを守るために、この場は一旦退却するとの最終決断を下すに至りました。
私達のライブは権力側によって、勝手に「政治集会」とされてしまいました。ただのライブに対して、何でそこまで権力は神経質になっているのでしょうか?
彼らはあそこに多くの人間が集まり、宮下公園の問題が焦点化することを何よりも恐れています。
今回の退却は逃亡ではありません。
私達Pinprick Punishmentはあの場で演奏することは出来ませんでした。しかし、今回の異常な事態を引き起こしたことによって、あの公園の問題点や権力による表現規制等の不条理な現実を多くの皆さんに感じ取ってもらえたということ。その事をもって一定の成果を獲得したと位置づけます。
何故こんなことになったのか?その背景を確認する為に以下のサイトをご覧になってください。
airmiyashitapark.info/wordpress/
minnanokouenn.blogspot.com/
そして今回の事態、この文章をあらゆる方法をもって多くの方に発信してください。それこそが権力が最も恐れることであり、我々にとっても最高の「ライブ」をやりきったことになります。